2010年08月17日(Tue)【海のように １】
「あいー！おはよう！！」
いつもと変わらない朝、校門の前で友達のあいを見つけた。
「おお！はな！おはよう！！」
「うん！ねぇ、今日の授業ってさ・・・・」
いつもと変わらない。ハズだった。
私がこんな目に会うなんて。
こんな人に会うなんて。
思ってもいなかった。
キーンコーン・・・・
お昼を知らせるチャイムとともに、周りの人達がざわざわと話し出す。
「はなー！お弁当食べよう！」
私も、その一人。
「そうだねぇ。今日は天気がいいから、屋上行こうか！」
「うっしゃー！行こ行こー！」
そう言って、私たちは教室を後にした。
しばらく廊下を歩いていたが、今日は何かと人が多く、
やっとの思いで通れる程になっていた。
「うー・・・人多いね・・・。」
「うん・・・。早く行こ！」
必至に前を目指して歩く。
(もぅ・・・なんでこんなに人が多い・・・)
「わっ！」
早く屋上に行きたくて、思いっきり前に出たら、人にぶつかってしまった。
「あ、ごめんなさい・・・！」
「ううん、こっちこそごめんね。」
運が悪い。と思った。
だって、相手は学校一カッコいいといわれる男、隼人君だった。
「あ・・・えと・・・・ッ」
「あっ・・・・」
私は逃げ出してしまった。
「ちょっと、はな！？？」
後ろから追いかけて来てくれたあいに飛び着いた。
「はな！？？ちょ、どうし・・・」
「あい！どうしよう！！私・・・怖いよ！！」
知らないうちに涙が出た。
「え！？どうしようって・・・ッ！まさか・・・」
「私ッ！なんてこと・・・」
嗚呼、なんてことしてしまったんだろう。
サイアクだ・・・・。
本気でどうしようかと思った。
さっきぶつかった相手、隼人君は
学校一カッコいいと称されていて、
ファンクラブなんかもあるくらいだ。
だが、本当に怖いのは、それじゃない。
そのファンクラブの会長さんが、ものっそい怖い。
何せ、隼人君と絡んだ者たちを次から次へと落としていく・・・
いや、転校させていくのだ。
転校までする理由の一つは、「集団いじめ」
百人以上居るファンクラブ全員から酷いいじめを受ける。
それだけではない。
そのファンクラブの恐ろしさを、ほぼ学校の女子全員が知ってるため、
誰も彼に近づこうとしない。
彼は本当に一人になってしまう。
そんな事をされて転校した人は沢山居る。
中には自ら命を絶った者まで。
そんななか、ぶつかってしまった。隼人君に。
・・・どうしようッ！！！
本当に・・・怖い・・・・。
「ちょっと、はな！しっかりして！」
完全に放心状態だったらしい。
「・・・ッ！ っえ！？」
「大丈夫だよ。はなはいじめられない！」
「・・・本当？」
「うん・・・・」
ギュ・・・と抱きしめ会った。
でも
「いじめられない！！」
そういったあいも
自分の言った事に
自信は無かった。
17:29
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